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さぬき漆
漆文化の継承に目覚め、普及することを生き甲斐にしています。
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Posted by あしたさぬき.JP at

「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その8

2023年01月13日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


今回から機関紙「Japan」の1999年7月発行夏号の記事をご紹介します。漆掻き、初鎌入れの様子が伺えます

【特集】

掻く漆産地で今年最初の傷付(初鎌・鎌付け・目立て)がはじまりました。この時期に採れる「初漆」は水分が多く、乾燥が早くて呂色仕上げやスリ漆に重宝されます。各地の様子をちょっとみてみましょう。

それぞれの漆産地では、今年の漆掻きがはじまりました。阿波は6月6日、丹波は8日、備中は10日に鎌付けが行われました。これから4日ごとに新しい辺(掻き溝)を付ける作業が、天候と木の様子を見ながら続きます。
(中略)
さて、いつから漆掻きを始めるか。丹波では桜の満開から55目、備中では麦刈りが終了する6月20日ごろ鎌付けをしていましたが、「今年なら葉も十分伸びた6月はじめでもよいのではないか」と言われています。少しでも早く始めれば1回でも辺を多くつけられるということがありますが、漆の木の体調(樹銚)はいかがなものでしょうか。


【私見】
漆掻きを全くしらない(漆掻きの現場を何回か見学しただけ)の私にとって、こういう文献があれば、頼もしいと思います。
私でも漆掻きができるのではと考えます。ただ、漆の極端に弱い(かぶれる)ものにとって、漆掻きは厳しい世界に思われます。
いかがなものでしょうか。ご意見ください。


【機関紙「Japam」1999年夏号表紙】

Japan 1999年夏号表紙




「漆文化の継承」事務局へのご連絡はメールにてお願いします。
sanukiurushi@gmail.com

また、メールアドレスを登録していただけますと、記事更新のお知らせが行きます。




  


Posted by さぬき漆 at 11:16Comments(0)

「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その7

2023年01月10日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


今回も機関紙「Japan」の創刊号より、巻頭の記事をご紹介します。盛りだくさんの内容がいっぱいですので、紹介するのに何回もかかっています
巻頭記事の続きです。


さまざまな角度・立場から活発な意見や情報が飛び交う
 まず、初日は阿波の漆掻き東官平氏の漆植栽地を小雨のばらつく中、全員で見学。漆掻きメンバーは情報交換に余念がなく、初めて漆植栽地を観る研究生は熱心に見学。そして、奥小歩危の会場に移動して1泊2日、言葉通り寝る間も惜しんでの『漆』談議が行われました。
会議の主な内容は、最初にこの交流会開催の経緯の説明。そして、漆は漆掻きだけの努力では守れないこと。漆掻きと使う側のよき理解とお互いの協力なくして成立しないこと等の話。この後、会の継続が全員一致で決まりました。会の名称も案を募り、『西日本の漆を守る会』と決定、発足していくことになりました。
ところで、西日本の漆産地はほとんど知られていないのが現状。途中、丹波・阿波・備中の漆掻きが自分の使用する道具を手に技術的な説明する場面も。現在の産地の現状等を話し、また漆を使う側である漆芸家からの質問にも答えました。
そして漆研究者からは試験結果に基づく報告があり、その精緻な研究データが注目されました。さらに漆芸家からは国産漆をどのように使っていくべきかあどが話題に。
また、文化財の修復に携っている方からの貴重な意見もありました。中国漆・国産漆という大きな枠で漆の評価はできないこと、それぞれの漆の特質を認識しなければならないこと。そのためにも業者から購入した漆をたんに使用するだけではなく、漆の木からの樹液についてもっと勉強が必要という内容の意見でした、漆掻きと漆を使う側がお帯に向上する必要が認識されました。



【私見】
漆文化を守ること、これは漆を生産す側と使う側の共通理解とお互いの協力がなくてはならないことが述べれています。
これが令和の時代になってもまだ克服されていません。

数年前、香川県知事から「漆を植える必要はない」と言われた時のショックは計り知れないものでした。
それも香川県議会においてです。
行政の認識はそれくらいなものです。
漆を掻くもの、漆を使って作るもの、漆器を売るもの、漆器を使うもの、いろんな立場からの協力、共通認識の必要性がひしひしと感じられます。


【機関紙「Japam」創刊号の2ページの写真】

創刊号2Pの写真



次回は「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その8


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Posted by さぬき漆 at 22:28Comments(0)

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その6

2023年01月10日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


今回は機関紙「Japan」の創刊号より、巻頭の記事をご紹介します。

<特集>
丹波・阿波・備中の漆掻きが手をつなぐ
日本の伝統工芸に欠かせない漆・・・・・。その樹液を掻く技術を残すためl平成11年3月30日・31日。徳島県三好郡山城町で、西日本の漆掻きの呼び掛けにより漆関係者が集まり、シンポジウムが行われました。
西日本の漆産地を守ろう・・・・31人の仲間が集まる
 西日本はかつて吉野・伊勢など有数な漆産地が存在した地区。しかし、現在では丹波(京都)、阿波(徳島)、備中(岡山)の三府県で細々と漆掻きを続ける状態でした。
 いつ産地が消えても不思議でない状況の中、漆掻きが手をつなごうという気運が年々高まり、備中・漆の館を拠点に会の結成の動きが起こりました。漆掻きの技術向上はもちろんのこと、お互いに抱える問題を話し合い、少しでも頑張る状況に変えていけないか・・・・このことに日本文化財漆協会・大西理事長が賛同。香川県の漆芸家に呼び掛けてくださいました。当初の計画より会の規模が自然と大きくなり、総勢31名の参加に。漆掻きだけではなく、日頃より漆に深く関わる大阪・奈良・岡山の方々、さらに香川県漆芸研究所の若い研究生達という顔ぶれのバラエティー豊かなメンバーがそろったのです。


漆を守るという人々の緊迫感が感じる記事です。
この思いを若い方に継承をという思いが今も続いているようです。
約25年前の現状が現在どう変化したのか、調査してみたいなとも思います。
この記事にはまだ続きがありますので、次回に継承記事をのせます。


【機関紙「Japam」の表紙】

Jaan 創刊号表紙



次回は「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その7


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Posted by さぬき漆 at 08:56Comments(0)

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その5

2023年01月09日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


機関紙「Japan」の創刊号より、記事のいくつかをご紹介しています。
その5回目。
今回は漆書き産地Newsのコーナー。
漆の木を育てていくうえで参考になること多い情報です。

◎ 阿波(AWA)  東官平
いつの間にか山は緑一色となりました。ようやく捕植が終わり、一段落と言ったところです。これから漆掻きの準備にかかるのですが、それまでに幼木の周囲の草刈りを済ませておきたいと思っております。また、植栽木の葉に幼虫(春虫)の駆除をしなければいけません。今年は例年になく発生しているようです。特に幼木に多く目につきます。5月は葉の成長が一年間で一番良く伸びる時期なので、この季節に虫に食われると一年間の成長に大きく影響することになります。6月に入ると山行き、いよいよ漆掻きの準備にかかるのです。路草刈り、足場木取り付け、10日頃から初鎌入れと心がはずみます。今年も漆木90本の予定で計画しております。

赤字は加藤様のマーカーです。
漆掻きの準備の様子がうかがえます。


【東官平(阿波漆)」】(ネットより)

東官平(阿波漆)



次回は「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その6


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Posted by さぬき漆 at 08:30Comments(0)

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その4

2023年01月08日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


機関紙「Japan」の創刊号より、記事のいくつかをご紹介しています。
その5回目。
元気をいただける記事がいっぱいです。

◎ 足立日出男(京都)
◆ この交流会の打ち合わせを三府県でした時は不安が思いもあったが、会の盛り上がりは素晴らしいものであった。これをいかに維持していくかが今は大きな課題に思う。そのためには、1人1人の本音を聞かせてもらい、漆を植える・掻く・使うそれぞれの立場からお互いに知恵を絞りあい今後へ結びつけていかなければならない。先生方からも貴重なご意見を伺えたが、特に多数参加してくれた若い世代の人たちの意見にも素直に耳を貸さなければならないと感じた。私は「漆は飾らず、使って味わうもの」と考える。手に持って使う人間が本物の良さを知り、その価値を感じるものだと思う。確かに技術を高めることは大切であるが、高級品ばかりでは世に広がっていかない。庶民にも親しまれる物を作らなければならないだろう。漆に値打ちがあっても使わなければ価値がない。日常の器として食器棚に入れるようになればと夢見ている。そのためにもこの会の会員がお互いの意見をぶつけられるかどうかが一つお鍵である。

漆器離れが会の創立の1年前以上に続いていますよね。
その深淵はますます深くなっています。
作る人の技術向上は必要ですが、使う側の立場を考えることが大切です。
伝統工芸展において、テーマの一つが「使えるもの」ですが、展示会に出品している作品を実際に使っている方はほぼないと思います。
価格も何百万円。庶民には手がでません。


【大谷早人 籃胎蒟醬十二角食籠「清流」】(ネットより)

大谷早人 籃胎蒟醬十二角食籠「清流」



次回は「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その5



  


Posted by さぬき漆 at 17:56Comments(0)

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その3

2023年01月07日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


機関紙「Japan」の創刊号より、記事のいくつかをご紹介しています。
記載れている記事を読んでいると10年以上前のものだとは思えません。
10年以上前の課題がそのままで改善していないというか、状況は悪化してるような気がします。
漆を育てる側、漆を掻く側、漆を使う側、漆製品を売る側、それぞれの段階で前に進んでいないのです。

さて、今回も旧「西日本漆を守る会」の創立メンバーの方からの投稿を紹介します。

◎ 岡本嘉明(丹波漆)
◆ 漆を使う人たちが元気になれば、漆掻きも元気になれる。『元気』をキャッチボールできるような会になるといいな、と思います。芸術の世界は底辺の人が頑張るか否か決定されます。その人々で守られ育っていくものではないでしょうか。特に若い人達に頑張ってもらえるよう我々も頑張らなあかんと思っております。

元気のキャッチボール。継承するために大切なことですね。
漆掻きと作家・職人、それぞれの後継者との関係にも。
芸術の世界だけでなく、様々な分野で後継者不足。育てるという気持ちを常にもつことは大切です。
といいながら、私の後継者に誰か名乗り出て欲しいものです。


【岡本嘉明氏】(ネットより)

岡本嘉明(丹波漆)



次回は「西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その5



  


Posted by さぬき漆 at 15:43Comments(0)

>西日本漆を守る会機関紙「Japan」から その2

2023年01月06日

西日本漆を守る会機関紙「Japan」から


機関紙「Japan」の創刊号より、記事のいくつかをご紹介しています。
しっかりした記事ばかりで、我々漆関係者を励ましてくれるようです。
昨年、11月5~6日に、再結成を目指して仲間が集った高松での熱心な討論を思い出します。
ここでは、西日本を取っ払って「漆を守る会」として発足の決議を上げました。

さて、今回は旧「西日本漆を守る会」の創立メンバーの方からの投稿を紹介します。

◎ 小野温子(「西日本漆を守る会」事務局)
◆ 私は漆を掻くわけでも塗るわけでもないくせに、漆の底なし沼にはまってしまい「どうにかならないの?」と叫ばずにはいられない。実態を知れば知るほど「日本に漆は必要?」とも思う。「漆は日本の素晴らしい伝統文化です」本当?ならどうして漆を守ろうとする人間がこんなにあがき、もがいているのだろうか。いろんな思いの中、この会に参加しました。皆さんに出会え、「こんなにも漆のことを思い考えている人達がいるんだ!」元気をもらうことができました。それぞれの今の思いを大切に漆を生かす道が見つかればと思います。それにはもっともっと『漆』を知らなければなりませんね。どんな疑問を投げかけられても、疑問を解決していく会になればと思っています。

小野温子さんのこの気持ち、沸き立つ熱が感じられます。
私も小野さんと同じ漆を掻く人でも使う人でもありませんが、漆の魅力に魅せられて離れられなくなっています。
何がそうさせるかわかりませんが、一つ言えることは。
漆は縄文時代早期から掻かれ塗られ使われてきたもので、現存する文化の中で最古のものの一つだからではないかと思います。
約1万年も同じ行為が続いてきたにはそれだけの理由があるはずです。
一緒にこの理由を探してみませんか?


【小野さんご夫婦が育てていた漆の苗】(ネットより)

小野さんご夫婦が育てた漆の苗



次回は「西日本漆を守る会」について その4です。

「漆文化の継承」
ご連絡先メールアドレス:sanukiurushi@gmail.com




  


Posted by さぬき漆 at 17:46Comments(0)

機関紙「Japan」創刊号 から

2023年01月05日

西日本漆を守る会機関紙「Japan]


機関紙「Japan」の創刊号より、記事のいくつかをご紹介します。

今回は著名な漆芸作家さんの声を紹介します。

◎ 大谷早人(現在、重要無形文化財保持者、香川県漆芸研究所講師)
◆漆掻きがいてこその漆芸です。漆芸作品を作るのも大変だけど、漆を生産するのも多大な苦労があることでしょう。お互いに歩み寄っていくことが大事でこの会は意義があります。また双方とももっと勉強が必要です。協力できることはしますので、漆掻きさんも頑張ってください。

◎ 山口松太(岡山、漆芸作家、備中漆を使った作品)
◆現在、西日本で漆を生産しているのは備中(岡山県)・丹波(京都府)それに阿波(徳島県)。丹波は故衣川光治氏とは旧知であったのと、衣川氏の選定した丹波漆を小野忠司氏によって私の漆山に植栽しており、早くから関わりがあった。しかし阿波漆については、今回西日本の漆掻きを中心に集う機を得て、初めて出向くことになった。ここでも漆の植栽がなされ、漆掻きの伝統を守ろうとする機運が高まっているのは心強い。漆液は見ることができなかったが、樹皮の様子から乾きが早いもののように思えた。交流会の方は、31名もの参加者でその多くが初対面だったが、活発な意見が飛び交い、自然に会の形が見えたのと、若い参加者が多かったのが、これから成長していく会として好ましく感じた。現在、各産地で植栽されている漆が近い将来採取できるようになれば、生産量は自ずと増えてくる。西日本には数タイプの漆液があって、それを生産する側が特質をよく研究し、使い手に分りやすい別表示をして販売するなど、販路を広げる対策を考えないといけない。いつまでも保護の手を借りることになり、自立した形での漆掻きの後継者やその伝統を守ることはできないのではないか。これを視野に入れておくことは、この会の最も大きな役割の一つであろう。


【大谷早人氏】(ネットより)

大谷早人



【山口松太氏】(ネットより)

山口松太氏



次回は「西日本漆を守る会」について その3です。



  


Posted by さぬき漆 at 19:09Comments(0)

「西日本漆を守る会」について

2023年01月04日

西日本漆を守る会


平成11年(1999年)漆3月3日、丹波、阿波、備中の漆掻きが中心となって、徳島県三好郡山城町(現在の三好市山城町)漆関係者の集いが開催されました。
西日本で漆関係の集会が開かれるのは初めてでした。
中心となったのが、丹波の岡本さん、備中の小西さん、阿波の東さん。
お互いの抱えている問題を話し合い、少しでも頑張って、漆の産地を残していこうという目的での集会です。
この集会が基本となって、結成されたのが「西日本漆を守る会」です。
事務局は備中漆の小西温子さん。
季刊ではありましたが、「Japan」という冊子を会員に向けて発行しています。
この冊子が今、これから漆を植えてみよう、育ててみようという者にとっては貴重な資料となっています。
おいおい、この内容をお知らせしようと思っています。


【機関紙「Japan」創刊号(加藤氏より)

「特集 丹波・阿波・備中の漆掻きが手をつなぐ」が第一声でした。

Jaan 創刊号表紙


次回は「西日本漆を守る会」について その2です。




  


Posted by さぬき漆 at 17:17Comments(0)

漆の木の植樹 その1

2023年01月03日

漆の木の植樹 その1


漆の木の植樹には”漆の苗”が必要です。
苗を作るためには2つの方法があります。

① ”種”を蒔いて発芽させて育てる方法。
種の周りには”蝋(ろう)”で包まれているため、脱蝋という作業が必要になります。
脱蝋には熱湯法、硫酸法がありますが、どちらも難しくなかなかうまく発芽しません。熟練の技が必要です。
私もチャレンジしたのですが、100個余りの種でできたのは4本だけでした。

② 分根法。漆の木の根を植える方法。
この方法は割と簡単に発芽します。根を植えておけば、発芽します。ただ、ある程度の大きな根でないとダメなので大量の苗を作ることはできません。

苗を移植した後に残った根や漆掻きした後に切り倒した木の根からも芽がでてきます。
この2つの漆の芽を1~2年育てて苗はできあがります。
その苗を植栽地に植えることになります。
最適な植栽地については後日お話しします。


【漆の種(加藤氏より】

漆の種



【漆の木々(加藤氏より】

漆の木々(加藤氏より)




次回は「西日本漆を守る会」について」です。




  


Posted by さぬき漆 at 17:35Comments(0)